へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


 俺の目の前で涙を流す明梨ちゃんに
 なんて言葉をかけていいのかわからず
 うつむくことしかできない俺。


 明梨ちゃんは
 俺の手からピンクの手紙を奪い去ると、
 止まらない涙を隠すように
 顔を手の平で覆った。


「早く出て行って……
 お願い……だから……」


 泣き崩れるように
 その場にしゃがみ込んだ明梨ちゃん。


 どうしても自分の思いだけは伝えたくて
 俺も明梨ちゃんの前にしゃがみ込む。


「明梨ちゃん……聞いて……」


「聞きたくない」


「お願いだから」


「もう雅くんの声なんて
 一生聞きたくない!」



 明梨ちゃんは
 俺の声を拒絶するかのように
 両耳を手のひらできつく塞ぐ。


 明梨ちゃん、ごめん。


 俺の声なんて聞きたくないよね?

 俺のことなんて
 瞳に映したくもないよね?


 でもこれで最後にするから。

 これだけ伝えたら
 明梨ちゃんの前から消えるから。


 だからお願い。
 俺の気持ち、聞き逃さないで。