へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目

☆雅side☆

 明梨ちゃんの
 怒りしか込められていないような
 怒鳴り声にびくりとして、
 抱きしめていた腕を緩めた俺。


 明梨ちゃんは俺の腕から逃げ出すと
 俺の瞳をキリっと睨んだ。


 お願い……

 睨んだままでもいいから。
 俺の想い、ちゃんと聞いて。


「俺……
 明梨ちゃんに……謝りたくて……」


「謝ってくれなくてもいい。
 今すぐいなくなってくれれば
 それでいいから」


 俺を拒絶するような鋭い瞳から
 あふれ出す、大粒の涙。


 明梨ちゃんは机の方に
 駆けて行ってしまった。


 明梨ちゃん。
 そんなにその手紙が大事なの?

 胸に押し当てているものって
 ラブレターだよね?
 かわいい男の子から、もらったんだよね?


 もう俺のこと
 好きじゃなくなっちゃった?

 ラブレターをくれた男の子の方が
 好きになっちゃった?


 明梨ちゃんに返された
 ストップウォッチが、
 泣き出しそうなほど寂し気に
 俺の手の中に納まっている。


 誰かにもらったラブレターは
 まるで宝物のように
 明梨ちゃんの胸元に押し当てられて
 いるのに。


 
 明梨ちゃんの答えを聞いたら
 自分が辛くなる。
 そんなことわかっているはずなのに。

 気づくと勝手に声が漏れていた。