へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目

 
「明梨、また読んでるの? その手紙」


「だって…… 好きなんだもん」


「それで明梨が元気になるなら
 好きなだけ読めばいいよ」


 私の心を逆なでないようにとの想いが
 はっきりわかる
 恋ちゃんの優しい声色。


 でも恋ちゃん、ごめんなさい。

 私のことは放っておいて。
 今は一人にして。


「恋ちゃん……
 そろそろ出ていって……」


 私のことを気遣ってくれる
 恋ちゃんを跳ねのけるなんて、
 すっごく酷いことをしているって
 わかっている。


 だけど、恋ちゃんと話したくない。


 だって恋ちゃんが姪っ子の私を
 すっごく心配してくれているのが
 わかればわかるほど、
 恋ちゃんに不器用に甘えちゃうもん。

 怒鳴りながら大泣きして
 八つ当たりしちゃうもん。

 そんな惨めなこと、したくない。


「……わかったよ」


 机に顔を伏せながら
 寂しそうな恋ちゃんの声を
 背中で受け取る。


 恋ちゃんが階段を下りていく足音が
 耳に届いた時、
 消えそうなほどか細い声が
 私の鼓膜を揺らした。


「明梨……ちゃん……」


 この震えるようなかすれ声。
 私の耳が間違えるはずない。


 どうしてここにいるの?
 なんで私なんかに会いに来たの? 


 雅くん……