へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


 助けを求めるように、手紙に目を向ける。


 3日前『読んでください』と
 知らない子に
 校門の前で渡された手紙。


 この手紙を読んでいる時は
 少しだけ心の痛みが和らいで
 呼吸が楽になる。

 
 流れるような達筆な文字の一つ一つが
 お薬となって
 私の心に沁み込んでいって。

 読み終わるころには、素直に思えるんだ。

 こんな私でも
 必要としてくれる人がいるんだって。


 でも、そんな特効薬の効果は
 持って30分。


 いつの間にかまた、情緒不安定になって。
 泣いて。この手紙にすがって。
 その繰り返し。



 手紙を手にしたまま
 机の上に顔をべタっとくっつけていた時

「明梨、ちょっといい?」

 恋ちゃんがドア越しに声をかけてきた。


「……いいけど」


 私の返事を聞いて部屋に入ってきた
 恋ちゃん。


 私は机に突っ伏したまま。
 背中越しで恋ちゃんの声に耳を傾ける。