へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


「俺はさ
 アミュレットの専属司会の件で
 明梨が落ち込んでると思ったわけ」


「それで、俺のところに来たの?」


「ああ。でも悪かったな。
 雅、こういうのも嫌だったよな?」


「え?」


「だからさ…… 
 俺が明梨を…… 心配することをさ……」


 いつも上から目線で
 堂々としている珀斗くんが、
 俺に見せた切なそうな顔。


 なんで俺の気持ちを
 大事にしようとしてくれているの?


 明梨ちゃんを傷つけた最悪な男だよ。

「もう明梨に近づくな!」って
 怒鳴り散らして
 俺を殴るくらいしてもいいはずなのに。


 いつもより一回り以上
 小さく見えてしまう珀斗くんに、
 俺の心も引きずられて
 声が出てきてくれない。


 長く感じた無言の時間。
 ぶっきらぼうな声を出したのは
 珀斗くんだった。


「貸して。紙とペン」


「え?」


「だから、書くもの貸して」


 そっぽを向いたままの珀斗くんの前に
 メモ帳とペンを置いた。