へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目

 自分に絶望して
 濁った瞳を床に落としていると、
 ケラケラと珀斗くんの笑い声が
 部屋にこだました。


「お前、何様のつもり? 
 俺のこと、虫よけ代わりに
 使うんじゃねえよ」


 言葉はきつすぎなのに
 豪快に笑い続ける珀斗くん。

 
「だって…… 明梨ちゃんのこと……
 誰にも渡したくないし……」


「それを言う相手、俺じゃねえだろ?」


「え?」


「明梨に言ってやれよ。
 あいつ今
 すっげー落ち込んでるみたいだからさ」


 明梨ちゃんが落ち込んでいるという
 情報が脳に届いた瞬間に、
 心配で心配でたまらなくなった俺の心。


 知りたい。
 明梨ちゃんのこと
 どんな小さなことでもいいから知りたい。


「明梨ちゃん。学校で笑ってないの?」


「明梨のことは
 たまに見かけるくらいだけどさ。
 すっげー暗い顔で、麻帆って子の背中に
 顔くっつけてたりするわけ。
 かと思えばさ、他の奴に、
 なんとか笑顔作りましたみたいな
 顔したりさ。
 あいつ、自分の弱みを人に見せねえとこ
 あるじゃん」


 そうだった。
 明梨ちゃんって、苦しいときに
 一人で抱え込んじゃうんだった。


 そういう時の明梨ちゃん。
 見ていて痛々しい笑顔するんだよね。


 は~。これも全部俺のせい。

 嫉妬で狂って
 明梨ちゃんを傷つけた俺のせい。


 辛そうな明梨ちゃんを見ると
「もっと俺のこと頼ってよ」とか
 カッコいいことを思っていたくせに。

 俺が明梨ちゃんを苦しめてるじゃん。

 マジで許せない。自分のことが。