ペットボトルに口をつけ
ごくりと喉を鳴らした珀斗くんに
目を向けると、
優しげな漆黒の瞳が
俺をまっすぐ見つめてきた。
「マジで敵わねえな。雅には」
さっきから何?
俺がカッコいいとか、敵わないとか。
本気で言ってる?
「だから……なにが?」
「中1ん時に
初めてステージに立つお前見た時はさ、
弱っちそうな奴って思ったけどさ」
あの頃は特に
みんなから言われてたよ。
ひ弱そうとか、ナヨッとしてるとか。
思ったけど……なに?
「学園祭のライブ見て、
中1の時のお前を弱っちいって
思った自分が、
すっげー恥ずかしくなったし。
お前の努力と根性、半端ねえな」
「え?」
それって……
俺のこと褒めてくれてる?
「どんだけ練習すれば、こんなに堂々と
ステージ立てるんだよって悔しくなった。
だから、雅のことは認めてやってんの。
一応。」
珀斗くん、その顔はやめてよね。
恥ずかしさを隠すように
大きな手のひらで
口元を隠してうつむいて。
こっちまでつられて
恥ずかしくなってきちゃったじゃん。
「いいの?
俺が明梨ちゃんにもう一度、告白しても」
「俺は明梨のこと諦めるって決めたから
雅の好きにしていいけどさ。
もう手遅れかもな」
ひぇ?
なぜ? なぜ?
それってもしや……
「明梨ちゃんが
他の男子と付き合いだしたとか?」



