怒りが
　ゆっくりと後悔の色に染まっていく。


　今ならまだ間に合う？

　
『珀斗くんと明梨ちゃんの関係に
　嫉妬しちゃって、
　酷いこと言っちゃってごめん』って。

『明梨ちゃんのことが本当に
　大好きだから』って。

　素直に伝えたら
　また俺に、笑ってくれる？


　やっと自分の心が
　コントロールできるぐらい
　落ち着いてきたとき、
　俺が伝えようをした謝罪の言葉が
　さえぎられた。


「明梨ちゃ……」


「雅くんって、悪魔だね」


　え？


「私のこと嫌いなら……
　好きなんて言わないでよ……
　信じちゃったじゃん……」


　ごめん。本当にごめん。
　大好きだから。


　嫉妬で自分のことを
　見失っちゃったくらい、
　明梨ちゃんのことが大好きで
　しかたがないから。


　そう伝えたいのに……

　明梨ちゃんの顔を見た瞬間
　呪いでもかけられたかのように
　全く口が動かなくなった。


　明梨ちゃん……
　泣いてる……