再開されたステージ。

中学の頃の輝きを取り戻したような、明梨ちゃんの語りからスタート。


まずはお客さんに語り掛け、講堂を音一つない世界に。

そして明梨ちゃんは声だけで、LOVEバドラーの世界にお客さんを引き込んでいく。


曲が始まる前から、うっとりとした表情で俺たちの登場を待つお客さんたち。

明梨ちゃんは最後に、低く落ち着きのある声を講堂に響かせた。


『LOVEバドラー 降臨』


その言葉を皮切りに曲が流れ。

明梨ちゃんが作り上げた曲の世界に飛び込む、ゾクゾク感を味わいながら、俺たちは順番にステージに登場した。


この曲を、ほとんどのお客さんが知らないはず。

それなのに、この学園祭で、お客さんが一番盛り上がってくれた。


そして明梨ちゃんは俺たちがステージで歌っている間中

ステージ袖で、お客さんの誰よりも楽しそうに俺たちの歌を口ずさんでくれた。