俺はへたれを消し去る魔法を、かけられてしまったらしい。
気づいたときには、明梨ちゃんを思い切り抱きしめていた。
「ひゃ!」
肩をびくつかせた明梨ちゃんの頬を、俺の胸にきつく押し当てる。
お願いだから、逃げないで。
俺は今、大好きな子の温もりを感じたくて、しょうがないから。
「絶対にトップアイドルになるから。約束するから。一番近くで、俺のことを見ていて欲しい」
俺の胸元で、明梨ちゃんがコクリと頷いてくれたのが分かった。
ダメだ、幸せで昇天しそう。
明梨ちゃんを連れ去りたい。
誰にも邪魔されない場所で、ずっと抱きしめていたい。
講堂の外なんかにいたら、誰に見られるかわからないし……
って、忘れてた!
明梨ちゃんしか目に入ってなくて、すっかりと!
今まさに、学園祭ライブの真っ最中だ!!



