俺の心臓、本当に動いてる?
自分の想いを伝えたから、うるさいほど激しく飛び跳ねてもいいはずなのに。
鼓動を全く感じない。
音も耳に入ってこない。
俺たちを囲む景色すら、瞳に映らない。
ただただ俺は、涙をこぼしながらうつむく明梨ちゃんだけを、ぼーっと眺めていた。
「私……好きじゃないよ……」
速攻でフラれた?
「……緑なんて」
「えっ?」
「見たくない」
えぇぇぇぇ???
明梨ちゃんへの想いを詰め込んだ、あの曲の歌詞。
緑、緑、緑だらけだっのに。
なんであんな曲、俺は作っちゃったんだろう……
「ごめん、あの曲のことは忘れて。今すぐ」
「だって……緑って聞くと、放送部の翠さんが思い浮かんじゃうから……」
やっぱり、勘違いさせていたんだ。
俺が翠さんを好きだって。
違うから。
俺の心の中を占領しているのは、ずっとずっと明梨ちゃんだけだから。



