へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


俺の心臓、本当に動いてる?

自分の想いを伝えたから、うるさいほど激しく飛び跳ねてもいいはずなのに。

鼓動を全く感じない。

音も耳に入ってこない。

俺たちを囲む景色すら、瞳に映らない。


ただただ俺は、涙をこぼしながらうつむく明梨ちゃんだけを、ぼーっと眺めていた。


「私……好きじゃないよ……」


速攻でフラれた?


「……緑なんて」


「えっ?」


「見たくない」



えぇぇぇぇ???

明梨ちゃんへの想いを詰め込んだ、あの曲の歌詞。

緑、緑、緑だらけだっのに。

なんであんな曲、俺は作っちゃったんだろう……
 

「ごめん、あの曲のことは忘れて。今すぐ」

「だって……緑って聞くと、放送部の(いどり)さんが思い浮かんじゃうから……」


やっぱり、勘違いさせていたんだ。

俺が翠さんを好きだって。


違うから。

俺の心の中を占領しているのは、ずっとずっと明梨ちゃんだけだから。