へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目



今舞台上では、生徒会の人たちがさっせかせっせか。

俺が使ったピアノを、ステージ袖に移動してくれている。


狭いところに逃げ込みたくて、積まれた段ボールの陰しゃがみ込む俺。

壊れたオモチャみたいに暴れる心臓に手を当て、必死に落ち着かせる。

 
次に披露するのがラストの曲だ。

閉演までは、アイドルとてのプライドを持ってステージに立ち続けなきゃ。


胸をこすりながら深呼吸。

心臓の動きが穏やかになってきたことに安堵。


パンパンと頬を叩いて、良い感じに気合を注入したのに。

次の瞬間、再び俺の心臓が肌にバコバコぶつかりだしちゃった。

ステージ上のマトイが、マイクで明梨ちゃんの名前を叫んだから。

 
『お前が俺に文句言いまくったあの曲、最後にみんなで歌ってやるから。今すぐステージ上がってマイク持て!』 って。