へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


「それなら明梨は、このドアから外をまわってステージ裏に行きなさい」


「でも、打ち合わせに時間かかっちゃう……」


「それもお母さんに任せなさい!
 明梨のためなら1時間でも5時間でも、トークでお客さんを楽しませてあげる」


「そんなに時間はかからないよ」


「ま、準備できたら合図して。それまで百目(ひゃくめ)桃華(ももか)トークショーね」


なんかお母さん、楽しそうだね。

ステージでしゃべりたくて、ウズウズしてるだけとか?


お母さんはサングラスをヒョイっと外すと

『お邪魔してま~す』

ハイテンションで、お客さんをかき分けステージに。


「ウソ~~?」

「アナウンサーの『ひゃく(もも)』?」

「本物、すっげーいい女じゃん!」


講堂には、黄色い声のトルネード。

お母さんの人気のすごさを、目の当たりに。


はっ!!

こんなことをしている場合じゃなかった。

早くアミュレットのところに行かなきゃ!!


私は講堂を飛び出すと、ステージ裏に向かって走り出した。