お母さん、ずるいよ……
いつも目を吊り上げて、怒ってることが多かったじゃん。
それなのに今は、私のことを心から信じ切っているかのような、温かい瞳で微笑んでるなんて。
そんな顔をされたら『やってみようかな』って、心が揺れちゃうのに。
「何かあったら、お母さんがすぐに助けてあげる」
「アミュレットの司会だよ。お母さんにできるの?」
「誰に言ってんの? こう見えて県内で好感度ナンバーワンの大人気アナウンサーなんだからね」
自分で言うかな、そういうこと。
でもいくらサングラスをしてるからって、生徒の誰にも気づかれてないあたり、まだまだだと思うよ。
「お母さん、ずっと思っていたの」
「何を?」
「アミュレットの司会だけは、明梨に勝てないなって」
「え?」
「アミュレットのみんなをやる気にさせる司会ができるのは、明梨だけってことよ」
お母さん……
ちゃんと私の司会、見ていてくれたんだね。
恥ずかしくて、言葉にはできないけど。
……ありがとう。
「わたし……やってみようかな」
「頑張れ! 明梨!」
「うん」



