「私には無理だよ。お母さんみたいな才能がないから」
「はぁぁぁぁ~。私に才能なんて、これっぽっちもなかったわよ」
「うそ?」
「高3で司会者になりたいって思うまでは、下僕たちを従えて。その後にTODOMEKIの姫やって。ヤンキー語直すのも苦労したんだから」
下僕ってなに?
そんなに荒れてたの?
お母さんの学生時代って。
「親に相談なんかしないで司会養成所に飛び込んで。ここまで来るの、苦労だらけだったんだから。私と同じ辛い経験を明梨にさせたくなくて、つい小言ばっかりになっていたのね。これでも反省しているの。明梨に口うるさかったなって」
「うるさすぎだったから」
「アハハ。ごめんごめん」
お母さんが私に笑った……
いつぶりだろう……
「明梨が自分で考えて、失敗して。でもあなたなら、歯を食いしばって乗り越えられるわよね。だって私の娘だから」
相変わらずアハハって笑っているけれど。
最後の一言、余分だから。



