お母さんに負けたくない。
私は必死に睨み返す。
私を挑発でもするかのよう。
お母さんが陽気な声を発した。
「翠ちゃんって子の司会、なかなかうまいわね。私の司会事務所に、誘っちゃおうかしら」
そうですか?
お母さんも認めているんですか?
翠さんの司会。
スカウトなんて勝手にすればいいよ。
どうせお母さんは、私のことなんてどうでもいいって思っているんでしょ?
「お母さんの好きにすれば」
「でも、明梨の勝ちね」
「え?」
「アミュレットのライブに関しては、100%、明梨の司会の方が上」
突然自分のことを褒められ、固まることしかできない私。
アミュレットのライブなら、翠さんよりも私の司会の方が上って言った?
そんなことないよ。
だって私、翠さんみたいな音楽番組並みの司会なんてできないよ……
予想外のお母さんの言葉。
信じていいのかすらわからない。



