手を叩きながら、大げさに喜んでいる学園長。

でも私の心は闇に真っ逆さま。
 

行きたくない。

聞きたくない。

心の奥からの叫び声に、体中が締め付けられるように痛みだす。

痛みを感じる範囲が広すぎて、どこが痛いのかさえわからない。


学園長に、早く私の前から去って欲しい。

一人にして欲しい。


苦しみをごまかすように窓の外に目を移した時、学園長が優しい声色を発した。

 
「私ね、中学の時のあなたの司会を見たことがあるのよ」


「そうだったんですか?」


「緑の靴、とってもお似合いだなぁって思ったの」


褒めるところ、靴ですか?

司会と全く関係がないし。


「そう思ったのは、私だけじゃなかったみたいだけどね」


「えっ?」


「じゃあ、時間通りにライブを始めるから。講堂にお願いね」


そう言い残して、学園長は私の教室を後にした。