急いで、ステージ袖に積まれた段ボールの後ろに隠れたけれど。
ステージから聞こえてきた声が、私の心にナイフをグサグサと突き刺してきた。
「翠ちゃん、司会上手いね」
リハーサルが始まり、春くんの跳ねるような声が響いた。
雅くんの穏やかな声が続く。
「落ち着いていて、アナウンサーさんみたいだね」
「そうかなぁ」
照れ隠しのような、嬉しさを含んだ声の翠さんに
「やりやすいよ、ありがとう」って綾星くんも誉め言葉をささやいていて。
「嬉しい~」
翠さんの女の子らしい笑い声が、ステージを飛び跳ねだした。
雅くんが褒めたとおりだね。
翠さんの司会はアナウンサーみたい。
私なんかより、確実に司会が上手。
アミュレットの専属司会を翠さんに頼みたくなる気持ち、わかるよ。



