いつも俺のことを、悪魔並みのキツい言葉でいじるのに。
たまに見せるよね。
最大の優しさを含んだ瞳を。
ダメダメな俺に。
「……ありがとう」
「その代わり、お前は本番までに歌詞を何とかしろ」
「なんとかって?」
「その歌が明梨ちゃんのことだってわかるような、キーフレーズ入れるとか。名前入れちゃうとか」
なっ……名前?
「明梨ちゃんなんて歌詞に入れたら、恥ずかしすぎてピアノが弾けなくなっちゃうんですけど」
「名前はムリだな。へたれアイドルの雅くんには。ごめんごめん。マジでごめん。アハハー」
笑いながら「ごめん」って連呼されたけど。
俺に悪いなんて、1ミリも思ってないよね?
ムーっと口をつぼめて、綾星を睨んでみた。
けど、更に声のボリュームを上げ笑われただけ。
俺の頭をバスケットボール並みに、ポンポン叩いてくる。



