へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


いつも俺のことを、悪魔並みのキツい言葉でいじるのに。

たまに見せるよね。

最大の優しさを含んだ瞳を。

ダメダメな俺に。


「……ありがとう」


「その代わり、お前は本番までに歌詞を何とかしろ」


「なんとかって?」


「その歌が明梨ちゃんのことだってわかるような、キーフレーズ入れるとか。名前入れちゃうとか」


なっ……名前?


「明梨ちゃんなんて歌詞に入れたら、恥ずかしすぎてピアノが弾けなくなっちゃうんですけど」


「名前はムリだな。へたれアイドルの雅くんには。ごめんごめん。マジでごめん。アハハー」


笑いながら「ごめん」って連呼されたけど。

俺に悪いなんて、1ミリも思ってないよね?


ムーっと口をつぼめて、綾星を睨んでみた。

けど、更に声のボリュームを上げ笑われただけ。

俺の頭をバスケットボール並みに、ポンポン叩いてくる。