綾星のぶっきらぼうな声を聞いた瞬間。
こんなダメな自分を、こいつにならされけ出せるんだ。
ちょっとだけ安心した。
「はぁ?」
「リハの時……俺のピアノソロを聞いてた。明梨ちゃんが……」
好きな子の名前をささやいただけなのに。
胸ってこんなに、押しつぶされそうになるんだ。
……マジでしんどい。
「で?」
「泣いてた。俺がこの学園に、来て欲しくなかったんだって」
夢であってほしいと願っていた、辛い記憶。
声に出すと、現実だって思い知らされる。
助けてくれない? 綾星。
俺の心、ドロドロのマグマの中から救い上げてくれない?



