目を床に伏せ、唇をギューっと強くかみしめている明梨ちゃん。
瞳に涙が光り、一雫だけスーッと明梨ちゃんの真っ白な頬をつたう。
泣いてるの?
俺が泣かせたの?
戸惑いでオロオロな俺。
明梨ちゃんは、固く結んでいた口をゆっくりと開いた。
「この学園に来て欲しくなかったよ……雅くんには……」
え?
その言葉の意味、俺は理解できるのかな?
脳をぐちゃぐちゃに潰されたみたい。
その意味を理解できない。
いいや、理解なんかしたくない。
ぐちゃぐちゃな脳でも、はっきりとわかるから。
俺は明梨ちゃんに、拒絶されているって。
大好きだったカフェラテ色の髪が、俺の頬をサラッと撫でた。
『行かないで……』
心の中でつぶやいたけれど、引き留める勇気はなくて。
明梨ちゃんは俺の横を通りすぎると、講堂から出て行ってしまった。



