聞きたくて、どうしても聞きたくて。
でも聞けなくて。
安心させたくて。
明梨ちゃんを笑顔にさせたくて。
ニコって微笑みたいのに、筋肉さえ動いてくれなくて。
驚き顔で、明梨ちゃんを見つめることしかできない。。
「勝手に……ごめんなさい……」
うつむいたまま、ぼそりとつぶやいた明梨ちゃん。
いいよ、謝罪なんて。
俺の想いが明梨ちゃんに伝わるなら、いくらでも見ていいよ。
楽譜くらい。
「アミュレットのみんなが、入ってきちゃったから……。講堂から……出て行けなくて……」
それってリハの間、ずっとステージ袖にいたっていうこと?
俺の歌、聞いてくれたってこと?
「どうだった?」
「え?」
「俺の……ピアノソロ……」



