「夢を捨てたら……軽蔑されちゃうよね? 珀ちゃんに……」
「は?」
「もうマイクなんて……二度と握りたくない……」
「そっか……」
体中の空気を追い出すように、長く息を吐いた珀ちゃん。
私のこと、睨んでくれればいいのに。
怒鳴ってくれればいいのに。
心の痛みに耐えているような、苦しそうな表情を浮かべている。
なんで珀ちゃんが、辛そうな顔をするの?
私でも助けてあげられる?
珀ちゃんを傷つける何かから、守ってあげられる?
そのために私は、何をしてあげたらいい?
わからない。
わからないから。
私は背伸びをして、珀ちゃんの頭にポンポンと手を置いた。
え……?
見上げた視線のすぐ先に、珀ちゃんの瞳が。



