ひやぁぁぁ!!
何やってるんだよぉ……俺。
子供の頃から、みんなに好かれる笑顔を研究しまくってきた。
ステージの上なら、誰にでも笑顔を振りまける。
そんな特技を習得してるのに……
こんな大事な場面。
なんで笑顔になれないんだよぉ!!
頭を抱え込み、ぶんぶん振り回したいくらい自分にガッカリ。
その時
「高杉君、自己紹介をしてくれるかい?」
おじいちゃん先生の声が、ダメダメな俺をアイドルに引き戻してくれた。
「高杉 雅です。仲良くしてくださいね」
クラスのみんなを見回しながら、穏やかな口調で微笑んでみる。
悲鳴に近い黄色い声が、再び教室中に飛び交いだした。
ほら……
明梨ちゃん以外には、普通に笑えるじゃん……
「高杉君の席は、窓側の一番後ろですよ」
それって……明梨ちゃんの斜め後ろの後ろ??
このまま席まで歩けば、明梨ちゃんの横を通り過ぎるけど。
ということは、二度目のチャンス到来だ。
さっきは笑えなかった。
今度こそ、明梨ちゃんの目を見て微笑まなきゃ。



