どんどん遠ざかる、雅くんとの距離。
ここまで来れば大丈夫かな?
そう安堵したとき、翠さんの声が私の耳まで届いた。
「アミュレットの専属司会になれるように、本番でも頑張るね」
え?
アミュレットの……専属司会……?
そのキーワードに驚いて、振り返らずにはいられなかった。
10メートルほど離れたところにいる雅くんと、視線が絡む。
雅くんはうつろな目で、私を見つめていた。
私に言ってくれたあの言葉、もう期限切れ?
アミュレットの専属司会に戻ってくる私を待っていてくれるって言ったけど、翠さんの方が良くなっちゃった?
聞きたい。
聞きたくてたまらない。
雅くんの本当の気持ち。
笑ってほしい。
翠さんじゃなくて、雅くんの煌めきスマイルを私に見せて欲しい。
そんな気持ちを込めて、雅くんを見つめていたけど……
交わっていた視線を先に逸らしたのは、雅くんで。
隣にいる翠さんに話しかけられ、笑顔を返している。
私には、微笑んでくれなかったのに。
翠さんには、宝石みたいなキラキラ笑顔を向けるんだね。



