珀ちゃん、止まってよ。
そっちには行かないで。
そう願っていたのに……
大好きな笑顔を、私の瞳がキャッチ。
一瞬で心がつぶされた。
やっぱりまた一緒にいるんだ。
雅くんと翠さん。
なんと楽しそうに笑っていることでしょう。
のこぎりでギリギリと引き切られるような胸の痛みに襲われ、手のひらに爪が食い込むくらい拳をきつく握りしめる。
早くここから逃げなきゃ。
そうしないと辛くて、辛くて、私の心が崩壊しそうだから。
足をできるだけ早く動かす。
雅くんと翠さんのすぐ横を、なんとか通り過ぎた。
珀ちゃん、もっと早く歩いて。
私をこの場所から連れ出して。
聞きたくないの。
雅くんと翠さんの、幸せそうな笑い声なんて。



