「明梨、行くぞ」
いきなり大きな手のひらが、がっっちりと私の手首を掴んだ。
「え……ちょっと……どこに行くつもり?」
「うるせー。オマエは足だけ動かしてろ」
ちょっと珀ちゃん、手を放して。
私が困惑しているって、絶対に気づいているはずなのに。
珀ちゃんはそんなのお構いなし。
指の後がはっきりと残りそうなくらいの強い力で、私の手首を握っている。
私を引っ張ったまま教室を出て、学園祭でにぎわう廊下を人をすり抜けながら歩いて行く。
みんなが、私たちのこと見てるよ。
あの二人、どうしちゃったの?って。
恥ずかしすぎだよ。
ほんとやめてよ、珀ちゃん……
「手を放してくれないかな? ちゃんと珀ちゃんに、ついて行くから」
「無理」
珀ちゃんは私の方を見ることもなく、私の手首を強く引っ張りながらどんどん進んでいく。



