へたれアイドル卒業します アミュ恋1曲目


「明梨、行くぞ」


いきなり大きな手のひらが、がっっちりと私の手首を掴んだ。


「え……ちょっと……どこに行くつもり?」


「うるせー。オマエは足だけ動かしてろ」


ちょっと珀ちゃん、手を放して。

 
私が困惑しているって、絶対に気づいているはずなのに。

珀ちゃんはそんなのお構いなし。

指の後がはっきりと残りそうなくらいの強い力で、私の手首を握っている。


私を引っ張ったまま教室を出て、学園祭でにぎわう廊下を人をすり抜けながら歩いて行く。

みんなが、私たちのこと見てるよ。

あの二人、どうしちゃったの?って。


恥ずかしすぎだよ。

ほんとやめてよ、珀ちゃん……


「手を放してくれないかな? ちゃんと珀ちゃんに、ついて行くから」


「無理」


珀ちゃんは私の方を見ることもなく、私の手首を強く引っ張りながらどんどん進んでいく。