暗闇みたいな心の中を、隠していたつもりだったのに。
「明梨、気にするな!」
麻帆ちゃんに突っ込まれ、ハッと我に返る。
廊下で話す雅くんと翠さんの会話を聞いて落ち込んでいるって、麻帆ちゃんにはバレバレかぁ。
叶わないなぁ、親友には。
私は麻帆ちゃんの背中に、ぺたりと頬をを押し当てた。
「……辛い。……助けて欲しい」
最近私は、麻帆ちゃんに甘えだしたけど。
予想以上に救われている。
雅くんから逃げ続ける自分が情けなくて、泣きたくなる時も、麻帆ちゃんの背中に顔を押し当てると、ちょっとはごまかせるんだ。
今の私にとって、なくてはならない必需品。