前を歩く麻帆ちゃんが足を止めたのは、屋上に続く階段。
屋上は鍵がかかっているため、この階段には誰もいない。
うつむいたままの麻帆ちゃんが、重い口を開いた。
「明梨。雅くんのことで、何か隠してるでしょ?」
あっ、そのことか。
……隠しているよ。
麻帆ちゃんにも、ずっと黙ってきた。
でも、ごめん。
雅くんとのことは、誰にも言うつもりなんてないの。
大好きでたまらない麻帆ちゃんにも。
これ以上詮索されたくなくて、私はなんとか笑顔を作る。
「隠していることなんてないよ。麻帆ちゃん、何か勘違いしてない?」
「だっておかしいじゃん」
「えっ?」
「辛そうな顔で雅くんのところに行って。泣きそうな目で戻ってきたなって思ったら、ストップウォッチを雅くんの机に置いてまた戻ってきて」
「あれは……借りていたものを返しただけだから……」
「今思えば、あの時だって変だった」
「あの時?」



