麻帆ちゃんは私の横の席だし、見られちゃったかな?
泣きそうな顔で、私が雅くんにストップウォッチを返しているところ。
でもお願い。
今はそうっとしておいて。
教室でなんか泣きたくないの。
誰かに優しくされたら、惨めな泣き顔をみんなにさらすことになっちゃう。
私は顔を机にくっつけたまま、なんとか声を絞り出す。
「……麻帆ちゃん、今……話しかけないで……」
「……わかった」
「……っ、ごめんねっ」
「こっちこそ、空気読まなくて悪かったね」
麻帆ちゃんが謝ることじゃないのに。
雅くんを好きになって、勝手に傷ついている私のせいなんだから。
この時私は、自分のことが更に大嫌いになった。
大好きな友達なのに……
顔を見て「ごめんね」も言えないなんて……



