ただ……
学園祭ライブで司会をしたい本当の理由は、それじゃない。
一言でいうのなら『嫉妬』
最近雅くんの側には、隣のクラスの『翠さん』がいて。
誰も入り込めないピンク色のシールドのようなものが、二人を包んでいる。
朝のHR前の現在も同じく。
私の斜め後ろの後ろの席からは、二人分の楽しそうな声が。
翠さんかぁ。
スタイルが良すぎだよね。
ウエストはキュッとしまっているのに、出るところはちゃんと出ていて。
天使の輪ができているキラ髪は、サラサラ艶々で。
学年一。
いや……学校一の美女と言っても過言ではない。
王子様と見間違うくらい綺麗顔の雅くんと並んでいるだけで、まるで絵画。
その絵は高値で売れそうなほど。
販売したら、私は大金持ちになれるかな?
……って。
何バカなことを考えているんだろう……私は……。
フフフと笑ってみた。
でも、虚しさは消えてくれなくて。
歪んだ心を隠したくて、私は机に顔を伏せた。