いつも堂々としている珀ちゃんが、辛そうに顔をゆがめて私だけを見つめているこの状況。

珀ちゃんの悲しみを帯びた表情を見ていると、胸が苦しくてたまらない。


私のことで、そんな苦しそうな顔をしないで。

いつもみたいに自信満々な瞳で、私のことを睨みつけてよ。


そうしてくれないと、私は強がっていられないんだから……

珀ちゃんに助けて欲しいって、思っちゃうんだから……



珀ちゃんの頑固な瞳に、ほだされちゃったんだろうな。

私は初めて、ステージから逃げたあの日のできごとを、珀ちゃんに打ち明けた。