回れ右して逃げたい。

猛ダッシュで逃げたい。

アパートの押し入れの隅で、猫みたいに縮こまりたい。


でも、逃げ出す度胸すら俺にはなくて。

なぜか歩みが早く感じるおじいちゃん先生の後を、ついて行くので精いっぱい。




3年1組のクラスの前まで来た。

俺のクラスは3組。次の次。

もう、覚悟を決めるしかない。

 
とりあえず、明梨ちゃんと目があったらニコって笑う。

そして朝のHRが終わったら、ちゃんと謝ろう。


3年前のこと。

心の底から、ごめんねって。