苦しみを聞いちゃったから、お願いなんてできないよ。
 
明梨ちゃんにもう一度、アミュレットの司会をして欲しいなんて。


「珀斗くん。明梨ちゃんのこと、放っておいてあげたら?」


「は?」


「だって明梨ちゃんは、司会なんてやりたくないって……」


「雅さ、それ、あいつの本音だと思ってんの?」


「え?」


「そんなわけねえじゃん。あいつが司会の夢を、完全に諦めたなんてさ」


「でも、本気で嫌そうだったし。ライブの司会をすること」