「俺さ明梨にはプロ司会者になる夢を、諦めて欲しくねえんだよ。だってあいつ、小さいころからずっと、その夢を追いかけてきたんだぜ。アミュレットの専属司会になったことも、飛び跳ねて喜んでたのに。中3の時に『もう司会はやらない』って言いだしてさ……」


「それは……俺のせいだよ」


間違いなく。100%。俺のせい。


「は? 雅のせいじゃねえし。あの頃さ、明梨と桃華さんがギクシャクしだして。『どれだけ努力しても、お母さんはダメだしばっかり』って明梨がよくムクれてた。親子の問題だったと思うぜ」


「でも……俺が酷いことを言っちゃったのは事実だし……」


あの日のことを思いだすと、心臓に斧を振り下ろされたような激しい痛みが襲ってくる。