珀斗くんが俺を、自分の家に連れてきた理由って
『司会なんか、明梨に二度とやらせるな!』
俺に怒りをぶつけるためかも。
そんなこととはつゆ知らず、のこのこと珀斗くんについて来てしまった。
後悔の念がぬぐえない。
しょうがない、怒られよう。
明梨ちゃんが傷つく要求をしてしまったのは、間違いなく俺だから。
俺が怒鳴られる覚悟を決めた時
珀斗くんの口から、耳を疑う言葉が飛び出した。
「雅……ありがとな」
「え?」
「もう一度、司会者に戻れるチャンスを明梨に作ってくれて……」
珀斗くんが俺に……お礼を言った??
怒鳴られると思っていたのに。
予想外すぎて、目をパチパチしながら固まっちゃったよ。