体中の空気を抜くようにフーっと息を吐ききった時、珀斗くんが俺の目をギロっと睨んだ。


「お前さ……」


ひえぇぇっ!! 

珀斗くんの眉毛の間にできたシワ。

俺に怒っているのが、丸わかりなんだけど!!


「明梨に言ったんだってな。学園祭で、ライブの司会をお願いしたいって」


迫力のある眼圧で睨まれた俺。

あまりの恐怖に、首から冷汗がタラり。


言いました。

間違いなく言いました。


でも……

司会はしなくていいって、はっきりと伝えました。

明梨ちゃんが抱えるトラウマのこと、理解したつもりだし。