思い返せばけっこう純粋な恋愛をしている私たち


ハグは、3回くらい…?


キスだってまだおでこにしかされてない…




布団の中でごろんと寝返りをうつ


広すぎるこのベッドは4人ぐらい余裕で寝れそうで、隣で目をつむる朔夜との距離が遠く感じた




まだ眠くない


まだ全然眠くない


だってまだ9時半だよ、
いくら病人でもこれは早すぎる!!




「朔夜ー…
ねー朔夜、起きてー…」


微動だにしない朔夜


絶対起きてるのに無視してやがる


こうなったら強行突破だ!!




布団の中でもぞもぞ移動して朔夜に近づく


ほっぺをつついても起きない


だから、ムニッとつまんだその時




「あー、もう じっとしてろよ…」




そんな声とともに反対側を向かされ


後ろからぎゅっと抱き締められた




途端に固まる私のからだ


背中に伝わる朔夜の体温、爽やかなシトラスの香り


ドクドクとうるさい私の心臓…