「起きろラム!会社遅れるぞ!」

「うるさいさとー。もうおきて…る…」

「おーきーろー!!」

どんな日常も、君となら。



まったく朝から骨が折れる。会社では結構業績もあげて、バリバリの営業マンの癖に、家ではこの有様である。

「ねー、さとー、おさけー…とびきりあまいやつ飲んだら目が覚める…」

「アホかお前は。どこの世界に出勤前に飲んだくれるヤツがいる。ほら、朝飯食え」

「ばかバーテンダー…」

グズグズ言いながら、ラムは朝飯の目玉焼きにケチャップをこれでもかとかける。

「はいはい、馬鹿ですよ。てか馬鹿な僕と付き合ってるお前も馬鹿だからな、そう言ったら」

「ええ…さとーと一緒はちょっと」

「はあ?!」

まったく、こいつときたら。




「いってきまーす」

「ん、行ってらっしゃいラム。帰りはいつもと同じ時間か?」

「だよ、なんかあったら連絡する。…さとー?」

「ん?」

「いってらっしゃいのちゅーは?」

「アホ。新婚さんか」

「ケチバーテンダー」

「ほら、遅刻すんぞ」

「わかってるよー、でも」

「!?」

柔らかいラムの、しっとりとした唇が不意にふれて、すぐ離れる。

「たまには、いいでしょ?愛しのダーリン」

「おまえっ…!」

「ははは、顔真っ赤。じゃ、いってきます」

「…行ってらっしゃい」

僕の彼氏は普段抜けてて、アホで、世話が焼けるけれど、たまにこんな風に男前になる。僕はラムのそういうところが…

「ほんとすきだよ…」

ー会社員×バーテンダー