(空気読んだな~俺。)
今日もいい仕事したと言わんばかりに階段を降りてくと、
「あ、健君♡今日は本当にわざわざありがとうねー♡♡ふふ」
玄関にはママが靴を並べながらお見送りする。
「なんか学校のみんなとも仲良くやれてるみたいだし、安心した。」
「大丈夫よぉー未茉ちゃんはっ!匠君にね、明徳は向いてないからって転入書類とか色々持ってきてくれて、先生にも話してくれてたみたいなんだけどね~」
「え…」
(匠の奴、先走んなって釘指しといたのに・・)
健は少し呆れた顔をしたが、
「いくら才能に恵まれてるって言ってもあの子の将来はあの子自身が決めることだから。ふふ♡」
「…未茉は確かに抱えきれぬ才能を兄弟の中で一番持って生まれましたからね。苦悩や葛藤をこれから益々背負ってくと思いますよ。」
「健君……」
「大丈夫。例え何があったって未茉を一番に支えるのは俺の役目だから。安心して下さい。」
「そうねっ!もう未茉ちゃんは昔から健君のことは特別に大好きだからぁー♡」
「まぁ。俺も特別大好きですけどね。」
靴を履きながら健は軽く笑った。
「ふふ♡健君と湊君なら私どっちが未茉ちゃんのお婿さんでもいーわぁ♡♡♡」
「・・・雅代さん。」
まるで自分が困ったように微笑むママに健は冷静に
「その台詞、匠には禁句ですよ。」
「えっ??」
なぜだかまるで分からずぽかんっとするママの鈍さはやはり娘に引き継がれてるな。と確信した健であった・・・。



