「明日インターハイ会場に向かうんですって♡」
「へぇー!そうなんだぁー。」
「ママも行こうと思って♡」
「え・・・ずるっ!あたしも行きたいっ!!」
「「ずりぃーぞ!!ばばぁっ!」」
未茉と弟達からはママへと容赦ない苦情が飛んできた。

「誰がばばあよっ!あんた達は学校あるでしょ!!学校がっ!!!」
「「ぶーっぶーっ!」」
幼い頃から遊んで兄代わりしてくれた大好きな健と匠の試合を見たいのは、和希と瑞希も同じだった。

「明日からインターハイ行きなのにわざわざ来てくれたの?」
「当たり前だろ。大事な妹の誕生日なんだから。」
まるで宝物を扱うように匠は優しく微笑みながら未茉に髪クシャした。


「さっ、とりあえずパーティー始めようぜ。雅代さんせっかくご馳走作ってくれたんだから。」
そんな二人の姿を見て健は立ち上がって仕切り直すように言った。

「そうね♡二人が来てくれてよかったわぁ~~ママすっかり未茉ちゃんの誕生日忘れてて~ふふ♡♡」
「だよね?ママ朝なぁーんも言ってなかったからあたしもすっかり忘れてたもん!」
「子供四人もいたら誕生日一人くらい忘れちゃうわよっ♡」
「忘れねぇーだろ!普通!!自分の娘だぞっ!!
ってか健兄とか匠兄の誕生日はカレンダーに花丸するくせによぉおっ!!」

「あっ!!今度湊君の誕生日も聞いとかなきゃねっ♡」
「・・・・。」
娘の話など全く聞かない母なのであった・・。