体育館でお祝いしてもらい、駅で別れた後、家まで未茉を送る翔真と二人が肩を並べて歩く後ろ姿をみんなは見つめながら、
「アレを邪魔したら馬に蹴られるな・・」
「白石は絶対譲らないって姿勢半端ないな・・・」
結城と三上は呆れながらも、翔真のお望み通り二人きりにしてあげようとすると、
「あの二人、これからホテルにでも行くのかな?」
「まさか。制服でかよ!」
ニヤニヤと男バスの一年達がそうひっそりと妄想するも、みんなはこっそり消えたのだった。
「キタロー、邪魔しないんだな。」
特に悲しむわけでも怒るわけでもないキタローが気になった三上は声をかけると、
「記念すべき白石の誕生祭りにあの笑顔が見れただけで、俺はこの一年幸せだ。」
「相変わらず尊いな・・・。」
「えっ。キタローが計画してくれたの?」
サプライズパーティーの真相を尋ねると主催者は意外にもキタローだったことに驚いた未茉だった。
「うん。昨日俺に頼んできたんだ。」
「そうだったんだー。明日もう一度お礼しなきゃなぁ。最近キタローからプレゼントばかり貰ってるなぁ~」
嬉しそうに微笑む未茉を見る隣で翔真も自然と優しい目になる。
「北の誕生日を祝ったんだって?それがかなり嬉しかったらしくて、絶対未茉ちゃんの誕生日は祝いたいって思ったんだって。」
「あー!遠足の時か!あたしねー砂と木でケーキ作ったんだよ!!」
「え・・・砂と木?」
翔真の手に引かれながら、入学早々にいつか二人で訪れた星が見える丘にやってきた。