「だよね。私も思った。キタロー君がいるとはいえ、うちらが練習に集中しやすいように片付けとか準備は全部してくれてるもんね…」
「「……」」
「なんか知れば知るほど白石さんっていい人だよね…」
「うん。BIG3とチャラチャラしてたから最初悪いイメージしかなかったけど。あの感じじゃ湊君が好きになるのも分かるっていうか……」
「分かる分かる。裏表なく頑張り屋だしね。」
「「……」」
「うん。とにかく頑張ろうよ!二年に負けたくないしさっ!!白石さんの為にも!自分等の為にも!」
「「うんっ!!」」
更衣室で女子達は声を合わせて誓い合った。
「未茉ちゃん付き合うよ。」
一日指導ばかりの鈍った体を今日も体育館が閉まるギリギリの9時前まで練習してるのを知っていた翔真がそう声をかけてくれるのが日課になった。
「おーサンキュー!」
そして二人の練習を片付けながら見守るキタローと、三人で帰るのも日課になり、
「じゃ!またなーっ!!」
帰り道未茉を見送った後、翔真と二人になったキタローが駅へと歩き始めると、
「湊…、頼みがある。」
「ん?」