「そうっ!もっと手首にスナップかけて切るように投げて!」

次の日の朝から一年女子は強制的に朝練に参加をさせることにした未茉の厳しく指導していく声が体育館中に響いた。


「広がれ広がれ!!固まってプレーすんな!!」
ピッピッ!!と未茉は笛を吹きながらコートに入り指示をしてく。
「速攻!!速攻!!もっと速く戻れ!!」

「お・・鬼・・・。矢野さんよりもハードすぎる・・・。」
朝練で早くも音を上げる一年女子に未茉は、
「今の倍練習すれば絶対に試合にでれるからっ!!チームに必要なプレーをしてけば絶対に選ばれる!」

(素晴らしい・・・仲間思いだ。)
隣でキタローは個人の情報収集をiPadに入力しながら飴と鞭のスパルタ闘志に感銘をうけていた。



昼休みも部活中も、部活後の自主練も未茉は全て一年の指導に徹底的に回った。

「よしっ!だいぶシュート率も上がったしよくなってきた!じゃまた朝練な!!」
「「はぁ~~~い……」」
一年女子は筋肉疲労からガクガクと痙攣を起こす者や、経験したことのない疲れでクタクタになりながら座り込む者もいた。

「あ、モップも片付けもいいよ。あたしがやっとくから!」
「え……いいの?だっていつも白石さんやってくれてるのに」
「大丈夫だぜ!ゆっくり休んでまた朝な!!」
未茉が女子達を笑顔で手を振り見送った。

「白石さんずっとうちらの練習見ててくれるから練習できてないよね?大丈夫かな…」
「相変わらず二年生達の練習に混じれてないし…」
更衣室で女子達は着替えながらそんな心配をしていた。