「えっ、白石さんゲーム参加しないの?」
いつもならスタメンの調整メニューに参加する未茉が一年のメニューを見ることになったので一年女子は驚いているが、

「おう…」
しくしくと涙目で返事する未茉。

「なんで?大丈夫なの?」
「大丈夫だぜ……んー!!!なんか色々ムカついたから本気で頑張るぞぉお!!」
「え?」

急にスイッチが入り、ピーーッ!!!と未茉は思いっきり息を吸い込み、笛を思いっきり吹き、

「よしっ!!一年!!レギュラー奪い取るぞっ!!!」

「「え……えぇっ!!?」」
唐突な未茉の宣言に動揺と衝撃が走る一年達に、
「何言ってんの…アイツ…」
二年の女子達が振り返る。

「いいか?先輩達のスタメンの座が空いたから、二年に負けないで一年のうちらが奪い取ろっ!あたしが絶対取れるように指導するからっ!!」

「し……白石さんっ!マジで言ってんの!?」
「マジ!マジ!大真面目だ!!」
「む…無理だよっ!!しかも怖いしッ……」

「スタメンが二年だけなんて決まってねーんだ!一年だって死ぬ気で練習すれば新生明徳に向けて充分可能性ある!!あたしを信じろっ!!」

「白石さん…」
「うんっ!!頑張ろっ!明日から猛特訓だからな!!朝六時集合だ!!」
戸惑う一年にガッツポーズをしながら未茉は言った。

「おいおい・・・。白石の奴またなんかすげーこと始めたなぁ・・・。」
「二年に喧嘩売ったよアイツ・・どうなっても知らねーぞ・・」
三上と結城が呆れながらその光景を恐ろしそうに眺めていた。