「「外周戻りました~!」」

みんなで体育館に戻ってくると、
「白石、倉庫からコーンとボード持ってきて」
「はーい!」
矢野の指示を受けて取りに行ってくると、スコアノートを渡され、

「矢野さん、そういうのは私が…」
マネージャーのキタローが口を挟むと
「これも一年の仕事よ。私に意見しないで。」
目すら合わせて貰えず、突っぱねられてしまう。

「白石は一年の指導して、それ終わったら二年のミニゲームスコア付けて。」
「え!?」
スタメンの未茉は基礎練習の後ミニゲームだけは参加させて貰っているのに矢野は参加させないようだった。

「何?言っとくけど、私達が一年の時なんかコートすら使わせて貰えなかったんだからね。偉そうに当たり前みたいな顔すんのやめてくれる?」
「はぁー…い。」

「それに三年が引退してあんたがスタメンなんてまだ決まってないわよ。」
「それは分かってるけど!!」
「タメ口叩いてんじゃないわよ!!」
「う・・・」
「正直ずっと二年でプレーしてきたんだからあんた抜きの二年でチーム組んだ方がチーム力は高いんだから。」
「……」

がっくりと肩を落とし未茉がコートへ戻ってくと、

「いい気味。矢野やるじゃん。」
「ほんと。前原じゃなくて矢野がキャプテンならよかったのに。」
二年達が未茉を見ながらコソッと話してるが言い返すことはしなかった。