「おはよ。頑張ってる?」

「あ……!キャプテン達……!!!」

そこへやって来たのは登校したばかりであろう制服姿の鈴木と水上を初めとした三年生達だった。

「昨日部員達には挨拶したんだけど白石にはまだだったから。」
「え」

「私達引退するから。」

自然な流れで分かっていたことだけど、未茉には衝撃だった。

「残る子も数名いるし、一応推薦貰ったりもしてるから、冬のウィンターカップには三年でも出れる子いるかもしれないけど、とりあえず私はキャプテン引退。」

「はい…先輩達お疲れ様でしたぁあ!!」
小さく頷いた後、ぎゅっとジャージの裾を掴みながら声をあげた。

「それとインターハイ……すみませんでした……!!」
まだ枯れずにボロボロと溢れ落ちる涙に鈴木達はよしよしと背中を擦りながら、

「白石…」
「泣くな!謝るな!誰がどう見たってお前が一番頑張った!」
「そう。不甲斐ないのは、白石を支えられなかった三年の私達よ。」

「そうかもぉしれましぇえん・・・!!」

「「うぉおっい・・・!!!」」 
三年全員で泣きべそ未茉に突っ込むと、
「あはははっ!!!」
涙と鼻水を垂らし、鼻を赤くしながら未茉は無邪気に笑うと、
「もー!っとに!!」
「白石はぁー」っと憎めない笑顔で三年同士顔を見合わせて微笑み合った。