「呼びに行こうか?」
橘がそう尋ねるとハッとした表情の前原は横に首を振った。
「白石はお前の事心配してるのにあんな態度とったらかわいそうじゃないか。」
「うるさいな!橘も出てってよ!!」
「……少しは素直になるんだな。」
めんどくさそうにため息をつき、そう言い残して保健室を出ていった。
「……」
前原は何も言えずにじっと痛みと向き合うように痛む足に視線を落としていた。
「未茉ちゃん。前原さんどうだった?」
「昨日病院に行ってやっぱり肉離れだって。」
次の日の朝練の時に橘から前原の病状を聞いた未茉がそう翔真に答えた。
「そっか。」
「肉離れかぁ~…アレ痛いよなぁ俺もやったことあったけど超痛かった」
中学時代に経験済みだと結城も痛みを思い返すようにしみじみ言った。
「二週間は部活休みだって。なんだか淋しいなぁ~。」
「淋しいって白石お前・・・あんだけ無視されてんのに。」
「そうだけどようやく練習はまとまってきたから、いいチーム組めるという矢先だからなぁ。」
肘ついて残念そうに窓の外をぼんやり見つめる未茉を翔真だけは微笑んで見ていた。



