「白石。ちょっと!」
「ん……うわぁ!!」
いつのまに図書室にいびきが響き渡る程の深い眠りについてしまったのか、揺さぶられて起き上がると気づくと、三年の元キャプテンの鈴木の呆れた顔が視界いっぱいに映った。
「いつから寝てんのよあんたは。」
「え・・・」
時計を見るともう昼休みどころか授業すら終わってる時間だった。
「なんてことだ……」
貴重な勉強の時間を睡眠に変えてしまった愚かな自分に自己嫌悪に陥る。
「先輩も追試ですか?」
「な、わけないでしょ。あんたじゃないんだから。勉強よ。勉強。」
「えーじゃ教えてぇええ」
「は・・?」
「追試なんすよ!!明日受かんなきゃ合宿に行けなぁぁあいい!!!」
うぁぁーんと鈴木の肩を掴みながら泣くと、(嫌な時に来た・・)と後悔して問題集広げると
「あれ?」
「はい?」
「分かりやすく書いてあるじゃん。ほら。この通りやればいいのよ。」
「えっ!!」
問題集にはシャーペンで解説書きが事細かくしてあった。
「えっ!!さっきまでこんなのなかったのに!!誰が書いてくれたんだろっ!!」
「さぁね。」
「すごぉいっ!!もしかしてこれが噂の小人かもしんねぇ!!!」
「・・・・。」
目を輝かせながら問題集をパラパラと捲り未茉は感激していると、
「あんたの周りでこういうことするのは、一人しかいないでしょ。全然小さくないけど。」
そう言われて熟睡中の未茉の肩にかけられていた翔真のチームジャージに気づいた。



