「モテる男はいいよなぁ~マジで。選り取り見とりじゃん。湊の奴。」
「確かにインターハイ予選一人ずば抜けてたしな。雑誌にも出ちゃうし。」
クラスの男子達ですら嫉妬に近い憧れを抱く中、廊下では見学会に来た中学生に告白されていた。


「私もバスケ部で…予選観に行ったら湊先輩に一目惚れしちゃって…、もしオッケーしてくれたら、高校ここに受け直そうと思ってるくらい大好きです!!」
女の子は顔真っ赤にしながら友達の手を握り、‘言っちゃったぁ言っちゃったぁ’と今にも心臓が飛び出そうなくらい緊張している。


「ありがとう。でもずっと好きな子がいるんだ。ごめんね。」

「え……そうですか……。付き合ってるんですか?」

「片想いだよ。」

「そー!湊はマジで白石に夢中だから君達諦めた方がいいぜ!」
その時背後から翔真の肩を組みながらクラスの男子が告白してきた女の子達にそう言うと

「白石…さんってうちの王子中出身の天才の?」
「そう。うちのバスケ部のエース同士!湊がベタ惚れなんだぜ?」
「おい。」
さすがに女の子の気持ちを考えるといい気はしないだろうと思った翔真は話を終わらせた。